東日本大震災から14年が経過した今、東京電力㈱福島第一原子力発電所の汚染水処理と廃炉作業および周辺地域の復興に向けた取り組み状況について視察を行った。
福島第一原子力発電所では、バスで構内を移動しながら、汚染水の処理方法(ALPS処理)およびALPS処理水の処分方法(海洋放水)について、実際の設備を見ながら説明を受けました。ALPS処理水はトリチウム(三重水素)濃度がWHO飲料水基準の1/7以下に希釈されて海へ放出されており、環境への影響がないことが理解できました。
また、原子炉建屋内に残された燃料を取り出すため、水素爆発で開いた天井を塞ぎ、構台を設置している状況も確認でき、廃炉という極めて困難かつ重要なプロジェクトへの取り組みについて理解を深めることができました。
東日本大震災・原子力災害伝承館では、はじめにバスにて双葉町、浪江町の実際の被災地をガイドの方の説明を受けながら巡りました。途中、広大な土地に1階部分が全壊した請戸小学校がポツンと残された光景を目の当たりにし、参加者は「こんな所まで一面に津波が押し寄せ、全てを飲み込んでしまったのか。何と表現すればいいか言葉も出ない・・・。」と絶句しておられました。
かつては2万人以上が住んでいた町が一度は全く人が住めなくなり、現在は1~2割程度の住民しか戻ってきていないことから、家を解体し空地となった土地や空家が多く目につきました。それでも、町の復興に向け、新たな取り組みに挑戦する方々の話をお聞きし、深い敬意と感謝の念が込み上げました。
館内では、震災当時の映像や写真、展示物などから、津波の猛威、避難を余儀なくされた方々の無念さ、そして原発事故による混乱の様子が伝わってきました。この伝承館は、過去の悲劇を風化させないための場所であると同時に、未来への警鐘でもあります。
今回の視察研修会は、震災・原子力災害と復興に向けた取り組みを「他人事」ではなく、「自分事」として捉えるとともに、頻発する災害への備えや命を守る行動について考える機会となり、参加者からは「とても有意義な視察研修だった」との感想をいただきました。
| 開催日 |
2025年10月8日~2025年10月9日 |
|---|---|
| 開催地 |
【視察先】 ①東京電力㈱福島第一原子力発電所 ②東日本大震災・原子力災害伝承館 |
| 主催機関 |
福井県環境・エネルギー懇話会 |
| 共催・後援 |
【共催】福井商工会議所 |
会員の環境・エネルギー問題に対する知見を深めるため、神戸・島根のエネルギー関連施設の視察研修会を実施しました。
視察先の三菱重工業㈱神戸造船所では、本工場で制作されている製品のうち、加圧水型原子力発電所で採用されている蒸気発生器、使用済燃料対策として輸送・貯蔵に用いられるキャスクの製造工程を視察させていただきました。また、中国電力㈱島根原子力発電所では、新規制基準を踏まえた安全対策の実施状況や現在建設中の3号機の建設状況を視察させていただきました。
参加者からは、「製品の製造工程を見ることで、構造や仕組みがよく理解できた。」、「運転開始前の発電所を見学でき、貴重な経験ができた」等の感想をいただき、有意義な視察研修となりました。
| 開催日 |
2025年7月8日~2025年7月10日 |
|---|---|
| 開催地 |
【視察先】 ①三菱重工業㈱神戸造船所 ②中国電力㈱島根原子力発電所 |
| 主催機関 |
福井県環境・エネルギー懇話会 |
| 共催・後援 |
[共催]福井商工会議所 |
エネルギースクールの視察研修会として、大阪のエネルギー関連施設の視察研修会を実施しました。
◆京都大学研究用原子炉(kUR)は熱出力5,000kwの原子炉で、中性子などを用いた物理学や科学、農学、医学など多様な分野の研究に取り組んでいた。◆㈱ハイドロエッジは岩谷産業と関西電力グループの堺LNGとの合弁会社として設立され、LNGの冷熱を有効利用し、国内初の商業用液化水素製造拠点として2006年より営業運転を開始していた。◆大阪での万博開催は1970年以来55年ぶり2回目で、テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。電力館では光る卵を手に持って、その卵を運びながら体験型のアトラクションを通して次世代の電力に関して学ぶことができた。
| 開催日 |
2025年5月27日~2025年5月28日 |
|---|---|
| 開催地 |
【視察研修先】 ①京都大学複合原子力科学研究所 ②㈱ハイドロエッジ ③2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博) |
| 主催機関 |
福井県環境・エネルギー懇話会 |
| 共催・後援 |
[共催]福井商工会議所 |